
プログラム
パネルディスカッション
パネルディスカッション1
がん地域連携パス
-患者・病院・クリニックがともに幸せになるパスを目指して-
オーガナイザー・座長:
山田 誠(岐阜市民病院)
座長:
演者:
岡田 晋吾(北美原クリニック)
石川 淳(大阪国際がんセンター)
二村 学(岐阜大学・岐阜県がん診療連携拠点病院協議会)
山本 直美(若草第一病院)
淺海 信也(福山市民病院)
三原 美雪(三原皮膚科・南庄内地域連携パス協議会)
セッション概要
平成20年に「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」が改訂され、地域がん診療連携拠点病院の指定要件として「我が国に多いがんについて、地域連携クリティカルパスを整備すること。」、都道府県がん診療連携拠点病院の指定要件としては「当該都道府県における地域連携クリティカルパスの一覧を作成・共有すること。」と定められたことから、各都道府県下統一パスの作成が急速に進みました。
しかし、各都道府県のがん連携協議会が中心となって充分な議論を重ね、運用基盤を構築した地域もあれば、作成が急に進んだため運用基盤が不安定な地域もあります。また、都道府県下統一であるが故に本来パスとして目指すべきアウトカムの共有や評価が困難で、PDCAサイクルを回しての改善につながらない点も指摘されています。さらに、10年以上が経過して拠点病院側の世代交代が進み、理念が継承されない等の問題もあり、当初の目的の様には運用が進んでいない地域も多いのが現状です。
本パネルディスカッションでは、パスが軌道にのっている地域での活動・運用の工夫、行政の関与も含めた解決すべき問題点等をそれぞれの立場で発表いただき、がん地域連携パスによる連携を進めるために、ICTの活用等も踏まえた今後の取り組むべき方向性について議論していただきたいと思います。
セッション概要
パス大会の目的は、①パスの導入・普及、②パス運用の分析・効果測定と改善の検討、③医療の質改善の検討など各病院により異なりますが、院内パス活動を活性化するために、パス大会はとても有効な場であると言われています。しかし、現在パス大会を開催している病院は減少し、その規模や内容も縮小・中止傾向にあります。特に、ここ2年余りはコロナ禍により、従来のパス大会の開催中止や新たなパス大会の開催断念に至ってしまった病院があると思います。一方で、このような状況の中でも、開催方法や内容を工夫してパス大会を継続して開催している病院もあると思います。前述した3つの目的を果たすため、各病院の取り組みを共有し、パス大会を発展させていくことはとても重要であると考えます。
本パネルディスカッションでは、まず、各病院が取り組んでいるパス大会の開催方法や内容などの現状について共有し、その上で、パス大会開催の意義や効果、効果的な開催方法、課題などについて討論したいと考えています。
パネルディスカッション2
パス大会を開催しよう!
〜どうやって開催する?効果を出す、継続させる〜
オーガナイザー:
中野 恭子(岐阜大学医学部附属病院)
座長:
山中 英治(若草第一病院)
演者:
永田 裕子(羽島市民病院)
高橋 典子(岐阜大学医学部附属病院)
沢内 節子(盛岡市立病院)
金井 和夫(横浜市立大学附属市民総合医療センター)
時岡 浩二(岡山市立市民病院)
羽藤 慎二(国立病院機構四国がんセンター)
パネルディスカッション3
クリニカルパスと看護記録
~看護が見える看護記録とは~
オーガナイザー:
久世 美樹(岐阜県総合医療センター)
座長:
演者:
瀬戸 僚馬(東京医療保健大学)
瀬戸 僚馬(東京医療保健大学)
西口 真由美(長崎大学病院)
中村 真寿美(長崎みなとメディカルセンター)
藤原 由行(函館五稜郭病院)
樺沢 恵子(岐阜県総合医療センター)
髙田 礼(神奈川県済生会横浜市東部病院)
セッション概要
日本看護協会の記録に関する指針2-1看護記録とは、あらゆる場面で看護実践を行うすべての看護職の看護実践の一連の過程を記録したものである。と述べられている。
指針4-1-1では、「クリニカルパスには看護記録として標準計画と経過記録が含まれる」とある。クリニカルパスにおける標準計画とは、目標を達成するために必要とされる看護実践を1日ごとに設定した標準計画である。クリニカルパスにおける経過記録とは、計画された看護実践を実行したことを記入する。と示されている。
クリニカルパスには、看護目標(アウトカム)、看護計画(タスク)が作りこまれている。クリニカルパスを適応した患者のカルテには、入院目的に応じた観察項目やあらかじめ実施する項目が設定されているため、観察した項目を入力し、看護実践の結果についてはタスクをチェックすることで記録としている。しかし、看護実践時の患者の状況や看護師の思考過程はチェックだけでは示すことができない。そこで経過記録を記載することになる。日々煩雑で多忙な業務の中で、看護記録を効率化したクリニカルパスが適応されていると“パス適応だから”と項目チェックに終わり、具体的な看護実践に関する記録が省かれていることがあるのではないか。また、患者の思いや希望をパスの中に組み入れ看護実践できているのだろうか。その実践が記録の中で表現されているのだろうかと考える。
看護記録の基本に立ち戻り、現場で活躍する看護師の皆さんと、クリニカルパスと看護記録の効率化、そして自分たちが行った看護の実際をクリニカルパス適応患者の看護記録にどう表現するか考える場としたい。
パネルディスカッション4
パス委員会事務局の活動
~集まれ事務職!パス事務局の悩み、解決します!~
オーガナイザー・座長:
座長:
演者:
櫃石 秀信(川崎医療福祉大学)
北村 臣(奈良県西和医療センター)
松本 将典(岡山市立市民病院)
岡田 茜(九州中央病院)
古川 亜紀子(NTT東日本関東病院)
正木 義朗(大阪医科薬科大学)
セッション概要
『業務の多様性』と『悩みの多様性』
病院に委員会は多くありますが、パス委員会の事務局業務は多様であると思います。
病棟の看護師さんから「電子パスツールを使いこなしたい」と言われたけど、使ったことないよ?
パス委員長から、「パス大会を開催しよう!」と言われたけど、何をどうすればいいの?
「バリアンス分析」、「パスの質改善の取り組み」・・・?
組織体制として、パスの特性上から、医事課や診療情報管理、情報システムなどの業務を担当しつつ兼務されている事務局の方が多いことでしょう。
だからこそ、「ほかの病院の事務局はスゴイね」なんて、言わせない!あぁ、でも、多様な悩みがある。
そこで、当セッションでは、悩みの解決を図ります。
悩みを語るだけでなく、演者・フロアを含めた全体で解決へのディスカッションを行いましょう。
一つでも悩みを解決し、「事務局のレベルが上がった」と言われてみませんか?
パネルディスカッション5
いろいろあります!パスの分析
オーガナイザー・座長:
下條 隆(羽島市民病院)
座長:
演者:
神山 智子 (青森県立中央病院)
川端 克明(福井総合病院)
小妻 幸男(済生会熊本病院)
山下 裕 (春日井市民病院)
小山 浩明(藤沢市民病院)
神山 智子(青森県立中央病院)
嶋田 元 (聖路加国際病院)
佐藤 耕一郎(岩手県立磐井病院)
セッション概要
「パスの分析が大事なことは分かっているけど、何をどうしたらいいのか分からない」「バリアンス分析をしてみたいけど、どうすればいいの?」「パスの分析って、どこからどう手を付ければいいの?」そう思っている人も多いと思います。
「パスを分析することで何が分かるの?」「パスを分析して知りたいことって何?」「頑張ってパスの分析をしてみたけど、病院で認められていない気がする!」「医師は、看護師は、その他スタッフは、病院管理者は、パスの分析から何を求めているの?」そんな疑問を持っている方もいるでしょう。
今回のワークショップはバリアンス分析のみならず、様々なパスの分析や分析方法を考えてみました。代表的なバリアンス分析の手法や、電子カルテで可能となってきたパスの分析方法に関し発表していただきます。さらにコメディカルやパラメディカルの考えるパスの分析、リハビリテーション技師や医療情報を扱う診療情報管理士の考える・出来るパスの分析やそのための新たな分析ツールの開発について。また、未来的なパスの分析をして医療の質を高める事例について。次に、せっかく一生懸命パスの分析をしても、パス活動が思うように進まない施設のために、「病院管理者の求めるパスの分析」を、医師の立場、管理者の立場から発表していただき、パス活動の協力者となってほしい人たちの求めるパスの分析をご発表いただく予定です。
パスの分析を通して、分かること、伝えたいこと、知りたいことを考える場としたいと思います。
セッション概要
パネルディスカッション6
パス活動の世代交代
~X世代からZ世代へ~
オーガナイザー・座長:
座長:
演者:
吹矢 三恵子(福井総合クリニック)
長塚 真紀子(山形県立中央病院)
酒井 優子(山形県立中央病院)
宮平 亜紀子(兵庫県立尼崎総合医療センター)
砂野 由紀(四国がんセンター)
畠山 涼子(青森県立中央病院)
クリニカルパスが日本に導入され20年以上が過ぎました。多くの施設ではクリニカルパス(以下パス)委員会が設置され、パスの教育普及、作成、運用、管理、パス大会等の活動が行われていると思います。そのためパス専任者やパス専従者を置きパス活動の継続を図っている施設もあると思います。しかしまだまだ多くの施設では業務の傍らパス活動を行っている医師、看護師、事務職員がいます。そういった施設では、パス委員会を立ち上げたころの先輩たちがいなくなり、入職した時にはもう病院にパスがあったという人ばかりで、パスの教育もままならないという施設もあるのではないでしょうか。また医師は病院を移動したり、看護師や事務職員は部署移動をしたりするためパス委員の人材確保、パス委員の教育、活動が困難となっていると思われます。パスが導入された時に中心となったX世代から、すでにパスが普及した状況のZ世代に交代していくなか、いくつもの悩みや、困難があるのではないでしょうか。今回このセッションでは、「初代からパス委員を引き継いで、いやいやだったけど今はうまくできています」という方や、「ずーっと陰でパス活動を支えてきてパス委員長の世代交代を見てきましたよ」という方。「パス委員で頑張ってきたけどうまく世代交代ができなくて下火になっちゃった」という悩みがある方などにお話していただき、今後のパスの推進、継続、改良のための具体的な対策や工夫を一緒にディスカッション出来たらと考えています。ぜひご参加ください。
パネルディスカッション7
院内におけるパス教育の実際
-問題点は何?その解決方法は!-
オーガナイザー:
岡本 泰岳(トヨタ記念病院)
座長:
小林 美津子(相澤病院)
演者:
丸岡 博信(前橋赤十字病院)
年光 康雄(国保旭中央病院)
神山 智子(青森県立中央病院)
舩田 千秋(愛知クリニカルパス研究会)
中 麻里子(大阪公立大学医学部附属病院)
セッション概要
クリニカルパスは医療の質の向上をもたらすツール(道具)です。しかしツールであるが故に、その使い方を誤ってしまうと、質の向上どころか質の低下を招きかねません。したがって、クリニカルパスの正しい知識の習得と適切な運用の実践が必須であり、その結果を医療の質の向上、クリニカルパス活動の維持・発展につなげる必要があります。そのためには各施設での定期的なパス教育と習熟度の評価、活動に携わる人たちのキャリア開発を含めた教育体制の構築が望まれます。しかしながら、職種、経験年数、クリニカルパスへの関わり方の違いなど多様性のある医療従事者に対して、効率的で有効な教育を行うには、様々な問題点があると考えます。
この企画では、院内教育に精力的に取り組んでいる施設の方に、その具体的な方法や工夫、学習者の評価方法などについて発表してもらいます。また本セッションでは、学会内の企画・教育委員会で開発した「クリニカルパスラダー」を紹介報告します。これは各施設で使用することを目的に開発した教育ツールで、レベル別に対象者と学習達成目標を段階的に明確化し、その習熟度を客観的に評価できる内容で構成しています。皆さんと一緒に院内教育の難しさや問題点、それに対する解決方法や工夫を共有化したいと思います。
セッション概要
パネルディスカッション8
今話題のフォーミュラリってなんだろう
~クリニカルパスとの関係と薬物治療の標準化を考える~
オーガナイザー・座長:
小枝 伸行(八尾市立病院)
外山 聡(新潟大学医歯学総合病院)
小池 博文(横浜市立大学附属病院)
座長:
演者:
小枝 伸行(八尾市立病院)
赤井 靖江(相模原協同病院)
川邉 桂(横浜市立大学附属病院)
菅原 重生(日本海総合病院)
濃沼 政美(帝京平成大学薬学部薬学科・大学院薬学研究科)
診療報酬改定の議論の中、フォーミュラリというキーワードが数年前から登場し、特に薬剤師の中で話題となった。
フォーミュラリとは、「疾患の診断、予防、治療や健康増進に対して、医師を始めとする薬剤師・他の医療従事者による臨床的な判断を表すために必要な、継続的にアップデートされる薬のリストと関連情報」と定義されており、「医療機関における患者に対して最も有効・安全で、かつ経済的な医薬品の使用方針」を意味するものである。
フォーミュラリは、標準的な薬物治療で対応できる患者さんに対して使用する医薬品の推奨リストである。現在、様々なフォーミュラリが病院や地域で策定されているが、疾患に対して適正かつ経済的な薬物治療を行うことを目的とするならば、クリニカルパスでの薬剤選択との違いはどこにあるのだろうか。しかし、 フォーミュラリとはという議論になると、疾患別にするのか、後発品の銘柄まで指定するのかなど、人それぞれのイメージがあり、クリニカルパスとの関係が議論しづらい状況にあるが、「科学的根拠に基づく医薬品選択の標準化」という目的は両者に共通である。
フォーミュラリと聞くのははじめてという方々も対象に、最新の状況や取り組みの紹介と、その課題や問題点を明示し、クリニカルパスとの関係と、医薬品を安全かつ適正に、しかも経済的に使用する手法について議論を行う。